2022/02/16
山口 裕さんのYOUR BOYから
君の少年
初めて会った日みたいだね
心が震えてくるよ
いつだって 僕は君の前では少年
投げかけた言葉を
笑顔で受けとめる君は 僕の少女
「愛しているんだよ」
とどめた言葉には 春がこない
君との時間の中で
いつの間にか 僕は少年になり
君を見つめてる
僕は君の少年
君の少年
バラ
君に会う前に
照れながら 花屋でバラの花束を買う
バラの花束をかかえ
君の待つ部屋へ急ぐ
「恥かしい 恥かしい」
僕は乱暴にバラの花束を君に渡し
へなへなと その場に倒れ込む
黙ったままの君の顔が
急に明るくなり
「バラ野郎!」 と 叫ぶ
きみには ヒマワリの方が良く似合う
Tシャツ
丸いテーブルをはさんで
君と僕は向かい合ってる
僕は君のTシャツが気に入って
君は僕のTシャツが好きだと言った
「交換しょう」
カフェのワッシュルームで取り替える
僕のTシャツを着た君は僕の椅子に座り
君のTシャツを着た僕は君の椅子に座る
Tシャツの位置は変わらない
僕は君の脱殻に入り込む
君は僕の脱殻に入り込む
君の香りが僕の心をくすぐる
うれしかった